ワクチンで予防できる主な感染症一覧

①麻疹(はしか)

麻疹ウイルスによる感染症です。現在、日本で見つかる麻疹患者のほとんどは海外で感染して帰国したケースで、かつて国内で流行していたD5型はすでに消滅しています。

潜伏期間は約2週間。感染力は「最も強いウイルスのひとつ」とされ、ワクチン未接種の方や、かかったかどうか不明な方は必ず接種を検討すべきです。

また、「一度かかればもう安心」というのは誤解です。成人も2回の接種が推奨されており、欧米ではすでに成人への定期接種が行われています。成人麻疹は小児期の麻疹よりも重症化しやすいとされており、ぜひ接種をご検討ください。

かつては「はしかにかかれば大人の仲間入り」と言われていましたが、まれに発症から数年〜十数年後に「SSPE(亜急性硬化性全脳炎)」を起こし、全身まひや意思疎通が困難になるという悲しい経過をとることがあります。

このような重い合併症を防ぐためにも、定期接種でお子さんを守ることが大切です。
※当院では未就学児の定期接種は実施しておりませんが、疾患の重大性からあえて記載しております。