麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスによる感染症です。
現在、日本で確認される麻疹患者のほとんどは、海外で感染して帰国後に発症したケースであり、かつて国内で流行していた D5型ウイルスはすでに消滅しています。
■ 非常に高い感染力
また、麻疹は基本再生産数(R₀)が非常に高いことでも知られています。
■ 成人も(本来は)ワクチン接種が重要です
一方、日本では成人への定期的な追加接種の仕組みが乏しく、その違いが成人麻疹の発生につながっている可能性が指摘されています。また、成人麻疹は小児期の麻疹よりも重症化しやすいことが知られており、肺炎や脳炎などの合併症を起こすリスクも高くなります。ワクチン未接種の方や、「かかったかどうか記憶があいまい」な方は、ぜひ接種をご検討ください。
■ 重い合併症:SSPE(亜急性硬化性全脳炎)
かつては「はしかにかかれば大人の仲間入り」と言われていましたが、麻疹は決して軽い病気ではありません。
まれに、発症から数年〜十数年後に「SSPE(亜急性硬化性全脳炎)」を発症し、
全身まひや意思疎通が困難になるという、極めて重篤で悲しい経過をたどることがあります。
このような合併症は、ワクチン接種によってほぼ確実に防ぐことが可能です。
■ まとめ
麻疹は、非常に感染力が強く空気感染を起こし個人の注意だけでは防ぐことが難しいという特性を持つ感染症です。
ワクチン接種によって社会全体で守ることが求められる疾患であり、自分自身と、周囲の大切な人を守るためにも、接種を強くおすすめします。
※当院では未就学児の定期接種は実施しておりませんが、疾患の重大性から、あえて本項目に記載しております。
風疹は、風疹ウイルスによる感染症です。
発熱や発疹など比較的軽い症状で経過することも多く、
「軽い感染症」と思われがちですが、特定の状況では非常に重大な影響を及ぼす感染症です。
■ 症状と経過
潜伏期間は2〜3週間。
主な症状は
多くの場合は数日〜1週間ほどで自然に軽快します。
成人での発症では、小児に比べて発疹や関節痛が強く出ることがあります。
■ 妊娠中の感染が最も問題になります
風疹で最も重要なのは、妊娠初期の女性が感染した場合の影響です。
妊娠初期(特に妊娠20週頃まで)に風疹に感染すると、
胎児に
などを引き起こす 先天性風疹症候群(CRS:Congenital Rubella Syndrome) を発症する可能性があります。
CRSは、一生にわたって重い後遺症を残す疾患であり、予防が極めて重要です。
■ 女性だけの問題ではありません
風疹は「妊婦の病気」と誤解されがちですが、決して女性だけの問題ではありません。
妊娠初期の女性にとって最大の感染源は、周囲の成人男性であることが多く、
男性が免疫を持つことが、妊婦とお腹の赤ちゃんを守る最も確実な方法です。
日本では、過去に特定の年代の男性が風疹ワクチンを接種する機会を逃しており、
現在でも成人男性を中心に抗体保有率が低いことが知られています。
そのため、流行時には成人男性の感染が拡大しやすいという特徴があります。
■ ワクチンによる予防が最も重要です
風疹は、ワクチンで確実に予防できる感染症です。
現在は、MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)で予防します。
は、事前の抗体検査とワクチン接種を強くおすすめします。
当院では、さいたま市の風疹抗体検査および、その後のワクチン接種に対応しております。
■ まとめ
風疹は、症状自体は比較的軽いことが多いものの、
妊娠初期の感染によって、取り返しのつかない結果を招く可能性がある感染症です。
風疹の予防は、
でもあります。
自分自身と、これから生まれてくる命を守るために、
いま一度「自分は本当に免疫を持っているか」を確認することが大切です。
